「一宮七夕まつりについて」 ひとりごアート

「一宮七夕まつりについて」 ひとりごアート

「一宮七夕まつりについて」  ひとりごアート

気が付くと、今日は7月7日晴れの七夕ですね。久しぶりのブログで、ひとりごと+アート(芸術)の<ひとりごアート>をしてみます。*造語です

 

日本三大七夕祭りとして数えられているのが、「仙台七夕まつり」、「湘南ひらつか七夕まつり」、そして私が住んでいるまち「一宮七夕まつり」である。織物のまちである一宮市の吹き流し飾りは、七月に真清田神社、商店街周辺に煌びやかに飾られている。(疫病の近年は縮小・中止状態)

 

七夕は、季節の節目である「五節句」のひとつである。中国伝来の乞巧と、日本の棚機女の信仰による影響が絡みあって、現在のようなカタチとなった。当時は皇族の宮中行事としておこなわれていたが、江戸時代になり庶民のものとなり広まった。

中国の乞巧風習では、牽牛と織女の二星相会の七夕伝説や技芸向上を祈願することで願いが叶うと信じられてきた。

日本の棚機女は、お盆を迎える準備として7月7日に行われ、村の災いを避け豊作を祈願するために、水辺で機織をし、織った布を神に供え神様をお迎えする行事であった。都会と農村の地域によって異なり、農村地域においては雨乞の祈りをこめての農耕儀礼が強くなる。七夕は「農業の水まつり」となり、豊穣を祈り、感謝するための行事で、身の穢れを洗って清めて盆を迎えるための禊の日となった。

 

一宮七夕まつりが行われる、愛知県一宮市は濃尾平野の中央部分にあり、木曽川の水が山から注ぎ込まれ、温和な気候に恵まれた地域である。このような風土環境から農業が栄えるとともに、平安時代から織物産業、江戸時代からは絹織物の生産地である織物のまちとしても栄えてきた。

一宮市の中央に鎮座する真清田神社の神は、天火明命である。その母神の萬幡豊秋津師比売命は織物の神様として知られることから、織物産業が栄えたともいわれている。真清田神社の織物の神に感謝するとともに、織物産業の繁栄を願う祭りとなっている。現在では、織物工場はほとんど機能しなくなり町中に鳴り響いていた機織り機の機械音は聞こえない。

 

織物工場が無くなり海外で生産されるようになってから、七夕まつりにおける意味合いが変化してきたと感じる。昭和31年に始まったまつりも、今では観光としての人集めのまつりとなっている。数年前のイベントではディズニーパレードが商店街で行なわれた。本来の意味からは、的外れのことでしか人が集まらないのである。

しかし、最近は伝統を誇る繊維のまちに、コスプレというポップカルチャーを取り入れた。繊維や織物のまちとして、布に関連した構想は評価できる。また、織物工場のまちだったからこそ生まれた喫茶文化(工場では音がうるさく商談ができないことから、喫茶店で商談する文化がうまれた)をまつりに取り入れている。

このように、この土地ならではの文化を、産業の変化とともに、まつりを通じて体験してもらうように変化をしている。そこには、地域性や風土、ポップカルチャーといったものが複雑に絡み合いながら、年中行事という、人々に循環する時間の節目を与え続け、受け継がれ変化をしながら伝承文化となるのである。

 

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にて新築工事・リノベーションの設計・監理の実績。

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