価格競争から抜け出す宿は、なぜ体験を設計しているのか。空間が宿泊価値を変える理由。「ひとりごアート」

価格競争から抜け出す宿は、なぜ体験を設計しているのか。空間が宿泊価値を変える理由。「ひとりごアート」

はじめに

「価格を下げないと予約が入らない」
「楽天・じゃらん等の頼みで利益が残らない」
「リニューアルしても思ったほど単価が上がらない」

宿泊業を営む多くの方が、こうした課題を抱えています。観光需要は回復している。インバウンドも戻ってきている。

それでも利益が出にくい構造は変わっていない。

なぜでしょうか。その理由は明確です。多くの宿が、
「泊まる場所」を提供しているだけで、
「体験」を設計できていないからです。

宿泊業は「空間ビジネス」から「体験ビジネス」へ

かつて宿泊施設の価値は、

・立地
・広さ
・設備

といった「スペックで決まっていました。しかし現在、選ばれている宿は違います。そこにあるのは、

・記憶に残る時間
・五感に響く体験
・誰かに話したくなるストーリー

つまり、体験価値です。

人は「泊まった場所」ではなく「過ごした時間」を覚えている

旅行を思い出すとき、人は部屋の広さや設備を細かく覚えているでしょうか。むしろ、

・朝の光の入り方
・木の香り
・静けさ
・誰とどんな会話をしたか

そうした“感覚的な記憶”のほうが強く残ります。

環境心理学やサービスデザインの分野でも、体験の記憶は「ピーク(最も印象的な瞬間)」と「終わり方」で評価されることが知られています。

つまり、空間は、その体験の質を決定づける装置なのです。

なぜリニューアルしても単価が上がらないのか

多くの宿泊施設がリニューアルを行っています。しかし、

・内装をきれいにした
・設備を新しくした

それだけでは、価格は上がりません。

なぜなら、それは「改善」であって「価値の再定義」ではないからです。

単価を上げる宿がやっていること

単価を上げている宿には共通点があります。それは、滞在そのものを設計していること。

〇時間のデザイン

チェックインからチェックアウトまで、どのような時間を過ごしてほしいのか。

・到着時の余白
・夜の静けさ
・朝の光

これらを意図的に設計しています。

〇動線のデザイン

人がどのように動き、何を感じるか。

・視線の抜け
・光の変化
・音のコントロール

これらが体験の質を大きく左右します。

〇余白のデザイン

何もないことが価値になる。

過剰なサービスではなく、「感じる余地」を残すこと。

空間が価格を決める

重要なことを言います。宿泊価格は、原価でも競合でもなく、体験の質で決まります。

そしてその体験の質は、ほぼ空間で決まると言っても過言ではありません。

私たちは、名古屋・愛知・岐阜・三重を中心に活動している設計事務所です。こちらの記事に設計事務所の選び方をまとめました。「紹介で25年続いてきた理由」https://kajiura-a.com/archives/blog/19721

地域とつながることで、体験価値は増幅する

地域との関係性が重要です。宿泊施設は、単体で完結するものではありません。

・街並み
・文化
・人
・自然

これらすべてが、体験の一部になります。

地域を取り込む宿の特徴

・地元の素材を使う
・地域の人が関わる
・街と連続した空間構成

こうした宿は、「泊まる」から「滞在する」へと価値が変わります。

体験価値が高い宿に起きること

空間と体験が設計された宿では、

・口コミが増える
・写真がSNSで拡散される
・リピーターが生まれる
・価格を下げなくても選ばれる

という現象が起きます。

こんな課題はありませんか?

・価格競争から抜け出せない
・OTA依存から脱却したい
・リニューアルしたが効果が薄い
・コンセプトが曖昧

もし当てはまるなら、それは「集客」の問題ではなく、「体験設計」の問題かもしれません。

空間戦略というアプローチ

私たちは、

・どんな体験を提供したいのか
・どんな記憶を持ち帰ってほしいのか
・地域とどう関係するのか

を起点に、空間を設計します。それは単なるデザインではなく、「価値を再定義するプロジェクト」です。

ご相談のご案内

■①宿泊施設 体験価値診断(初回無料)

現状の施設をもとに、

・体験の弱いポイント
・改善の方向性
・単価向上の可能性

を整理します。

■②空間 × 体験設計 対話セッション

木の香りと静けさに包まれた空間森と川に咲く花で、「どんな時間を提供したいのか」をじっくり言語化します。

■③宿泊施設リノベーション相談

小規模改修から全面改修まで、目的に応じてご提案します。

最後に

宿泊業は、価格競争のビジネスではありません。体験価値のビジネスです。泊まる場所をつくるのではなく、記憶に残る時間をつくる。

空間が変われば、体験が変わる。
体験が変われば、価格が変わる。
価格が変われば、経営が変わる。

・体験価値を収益につなげるには、空間全体の設計が重要になります。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19754

・選ばれ続ける空間ブランディング、空間戦略。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19737

・立地ではなく「体験価値」で選ばれる時代へhttps://kajiura-a.com/archives/blog/19771

・問い合わせ https://kajiura-a.com/contact/

梶浦博昭環境建築設計事務所 https://kajiura-a.com/ 『空間 × 感性 × 経営』

~ 見えない価値を、設計する~【名古屋・愛知・岐阜・三重を中心に25年の実績】

建築家 梶浦博昭|note   インスタアカウント kajiuraarchitect

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