「空間戦略から考える店舗の本質①」なぜ今、映える店舗は急速に古くなっているのか「ひとりごアート」

「空間戦略から考える店舗の本質①」なぜ今、映える店舗は急速に古くなっているのか「ひとりごアート」

SNS時代の次に来る空間価値とは

名古屋・愛知県・岐阜県・三重県の店舗設計・商業施設設計から考える差別化の本質

【導入】

なぜ、多くの店舗はリニューアルしても差別化できないのでしょうか?

「店舗を改装したのに売上が伸びない」「ショールームリノベーションをしたのに来場者が増えない」「物品販売リノベーションを行ったのに価格競争から抜け出せない」「商業施設設計に投資したのに、思ったほど成果が出ない」

名古屋・愛知県・岐阜県・三重県で事業を営む経営者や賃貸オーナーの方から、このような相談をいただく機会が増えています。

多くの方は、「もっとおしゃれにしよう」「SNS映えする空間にしよう」「競合より目立つデザインにしよう」と考えます。もちろん、それらも大切です。

しかし、実は問題の本質はそこではありません。なぜなら今、人々が店舗や商業施設に求める価値そのものが大きく変わり始めているからです。そして、その変化を理解できている店舗と、そうでない店舗の差は今後ますます大きくなっていくでしょう。

【共感】

「きれいなのに人が残らない」

これは今、多くの店舗で起きている現象です。オープン当初は話題になります。SNSにも投稿されます。一時的には来店客も増えます。しかし半年後。一年後。気が付くと来店頻度が下がり始める。再来店率が伸びない。口コミが続かない。そんな状況に悩む経営者は少なくありません。

実際、現代の消費者は毎日膨大な情報に触れています。総務省の調査でも、SNS利用時間は年々増加しています。一方で、「SNS疲れ」という言葉も一般化しました。情報が増えれば増えるほど、人は刺激を求める一方で、その刺激に疲れていくのです。

つまり今の消費者は、派手なものを求めながら、同時に落ち着ける場所も求めている。そんな矛盾した心理状態の中にいます。

【原因の再定義】

問題はデザインではなく「価値構造」にある

多くの経営者は、売上が伸びない。もっと目立つ店舗にしよう。内装を変えよう。と考えます。しかし本質はそこではありません。問題は「見た目」ではなく「価値構造」です。かつて店舗は、見つけてもらう。入ってもらう。買ってもらう。という構造で成立していました。しかし現在は違います。

Googleがあります。SNSがあります。生成AIがあります。情報を見つけることは誰でも簡単にできます。つまり現代では、見つけてもらうことより、また来たいと思われることの方が重要になっているのです。ここが店舗設計や商業施設設計の考え方を大きく変えるポイントです。

【一般解の否定】

なぜ「映える店舗」だけでは勝てなくなったのか

もちろん映える店舗は悪くありません。しかし映えることだけでは持続しません。理由は単純です。真似されるからです。デザインは模倣できます。色も照明もレイアウトも真似できます。しかし、居心地。安心感。空気感。体験。は簡単には真似できません。ここに本当の差別化があります。

近年のマーケティング研究でも、企業が競争優位を維持するためには模倣困難性が重要であることが指摘されています。つまり、目立つことではなく、忘れられないことが重要なのです。これからの店舗は「記憶に残る場所」を目指す必要があります。

【新しい視点の提示】

空間戦略という考え方

私は空間戦略家・一級建築士として、店舗設計や商業施設設計を単なる内装デザインだとは考えていません。それは経営価値設計です。資産価値設計です。ブランド体験設計です。

つまり、何を売るかではなく、どんな時間を過ごしてもらうかを設計する仕事です。ここで重要になるのが空間戦略という考え方です。

なぜ空間は人の行動を変えるのか

この問いに対して非常に有名な研究があります。1992年、マーケティング研究者のMary Jo Bitnerは「Servicescape(サービススケープ)理論」を提唱しました。サービススケープ理論では、照明。音。温熱環境。素材。レイアウト。香り。などの物理環境が、顧客の感情や行動に影響すると説明されています。つまり店舗空間は背景ではありません。空間そのものが顧客体験をつくる存在なのです。

実際に私たちも経験があります。同じコーヒーでも、居心地の良いカフェで飲む一杯と、落ち着かない空間で飲む一杯では価値が違います。商品は同じでも、体験が違うのです。

なぜ人は「また来たい」と思うのか

人は商品を記憶しているようで、実は感情を記憶しています。認知心理学では、感情を伴う体験は長期記憶として残りやすいことが知られています。安心した。落ち着いた。大切に扱われた。心地よかった。こうした感情が再来店行動につながります。つまり差別化とは、派手なデザインではなく、感情設計なのです。

そしてその感情設計を支えるのが、店舗設計であり、商業施設設計であり、ショールームリノベーションであり、物品販売リノベーションなのです。

【具体】

「長居したくなる空間」はどうつくられるのか

では実際に、人が集まり、また来たいと思い、口コミが生まれる空間はどのように設計されるのでしょうか。実は高額な内装工事だけが答えではありません。重要なのは空間の構造です。

距離感が安心感をつくる

人は近すぎても疲れます。遠すぎても不安になります。店舗設計では、客席間の距離。視線の抜け。スタッフとの距離感。が非常に重要です。

環境心理学では、人間は適切なパーソナルスペースが確保されることで安心感を得ることが知られています。つまり混雑しているだけでは賑わいにはなりません。心地よい距離感があるからこそ、人は滞在したくなるのです。

動線がストレスを減らす

初めて訪れる店舗で、どこに行けば良いのかわからない。商品が探しにくい。レジが見つからない。これは大きなストレスです。人は迷うと疲れます。だから優れた商業施設設計では、無意識に理解できる動線、が設計されています。わかりやすさは安心感につながります。安心感は滞在時間につながります。滞在時間は売上につながります。

余白が価値を高める

多くの店舗では、商品をたくさん並べようとします。しかし高級ブランド店を見ると逆です。余白があります。余裕があります。選択肢を減らし、価値を際立たせています。人間の脳は情報過多になると判断能力が低下します。だから余白は無駄ではありません。価値を伝えるための戦略なのです。

素材が感情をつくる

木。石。土。左官。自然素材。これらは単なる仕上げ材ではありません。感情を生み出す装置です。近年の木材利用研究では、木質空間においてストレス指標の低下や快適性向上が報告されています。人は本能的に自然とのつながりを求めています。だから古民家再生が支持されるのです。懐かしいからではありません。人間らしさを取り戻せるからです。

ハーバード大学研究が示した空間の力

Harvard T.H. Chan School of Public HealthによるCOGfx研究では、換気性能や空気環境の改善によって認知機能や意思決定能力が向上することが示されました。これは非常に重要です。なぜなら建築環境が、人間の思考や判断に影響することを意味しているからです。

ショールームリノベーションでも、店舗設計でも、商談空間でも、快適性は成果に影響します。空間は背景ではありません。経営成果を支える基盤なのです。

神経建築学(Neuroarchitecture)が示す未来

近年世界で注目されているのが、神経建築学(Neuroarchitecture)という分野です。これは神経科学と建築を結び付け、空間が脳や感情へ与える影響を研究する学問です。研究では、自然光。緑。木質素材。天井高さ。音環境。などが、ストレスや幸福感に影響する可能性が示されています。

つまり建築は、建物をつくる仕事から、人間の感情を支える仕事へ進化しつつあるのです。

【事例】森のマルシェ 犬山 「賑わいは偶然ではなく設計できる」 名古屋・愛知県・岐阜県・三重県で建築家/一級建築士を探すオーナーへ – 一宮市、名古屋、愛知、岐阜、三重で注文住宅、新築、リノベーションなら建築家 梶浦博昭環境建築設計事務所

【収益・経営への接続】

なぜこの空間は利益を生むのか

利益は商品から生まれる。そう考えられがちです。しかし実際には、利益は信頼から生まれます。信頼は体験から生まれます。体験は空間から生まれます。つまり、空間。体験。信頼。再来店。紹介。利益。という構造があります。ここが経営者にとって最も重要なポイントです。

なぜ口コミが起きるのか

人は商品を紹介するより、体験を紹介します。「あのお店、なんだか落ち着く」「あそこに行くと居心地が良い」「スタッフとの距離感が心地良い」この感覚が口コミの正体です。つまり口コミとは広告ではありません。体験の共有なのです。

なぜ採用に効くのか

近年、採用難は深刻化しています。しかし求職者も顧客と同じです。給与だけで会社を選んでいません。働く環境を見ています。企業文化を見ています。その企業らしさを感じています。空間は企業文化を可視化します。だから店舗もショールームも採用力に直結するのです。

【地域性】

名古屋・愛知県・岐阜県・三重県だからこそ求められる空間価値

東海エリアには優れた企業が数多くあります。技術力もあります。品質も高い。しかし価値発信が苦手な企業も少なくありません。だからこそ、店舗設計。商業施設設計。店舗リノベーション。ショールームリノベーション。物品販売リノベーション。が重要になります。

良い商品を持っているだけでは伝わらない時代です。空間が語らなければなりません。空間は24時間働く営業マンなのです。

【未来提案】

これから選ばれる店舗とは何か

AIが商品比較を行う時代になります。価格比較もさらに容易になります。すると企業が競争する場所は変わります。商品競争から、体験競争へ。価格競争から、関係性競争へ。これが未来の店舗経営です。

サードプレイスの価値が高まる

社会学者の Ray Oldenburg は、家庭でも職場でもない第三の居場所を「サードプレイス」と呼びました。

孤独が社会課題になりつつある今、人々は居場所を求めています。だからこれからの店舗は、商品を売る場所ではなく、人と人がつながる場所へ進化していくでしょう。

【まとめ】

差別化とは何か

差別化とは派手なデザインではありません。真似できない体験をつくることです。

本質とは何か

本質は内装ではありません。人間心理です。安心感です。居場所感です。記憶です。

なぜ利益を生むのか

空間が体験をつくるからです。体験が信頼を生むからです。信頼が利益を生むからです。

なぜ口コミが起きるのか

人は商品ではなく、体験を語るからです。

なぜ地域に愛されるのか

人が安心できる居場所になるからです。

なぜ採用に効くのか

空間が企業文化を伝えるからです。

これからの店舗設計の本質

店舗設計とは、建物をつくることではありません。人が集まる理由を設計することです。そしてその理由こそが、企業の未来を支える資産になるのです。

【行動喚起】

もし今、価格競争から抜け出したい。差別化に悩んでいる。店舗のリニューアルを検討している。ショールームリノベーションを考えている。物品販売リノベーションを計画している。そのような状況であれば、まず考えるべきはデザインではありません。「なぜ人が集まるのか」という構造です。

空間には人の感情を動かす力があります。人の行動を変える力があります。そして企業の未来を変える力があります。私は空間戦略家・一級建築士として、建物そのものではなく、その先にある経営価値や地域価値、人と人との関係性まで含めて設計したいと考えています。

名古屋・愛知県・岐阜県・三重県で、店舗設計や商業施設設計、ショールームリノベーション、古民家再生をご検討の際は、ぜひ一度、「人が集まる理由」から一緒に考えてみませんか。

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