建築費高騰が続く今、「建築計画を延期した方がよいのだろうか」「できるだけ安く建てるべきなのだろうか」そう悩んでいる経営者や賃貸オーナーは少なくありません。
名古屋・愛知県・岐阜県・三重県でも、商業施設設計、オフィス設計、クリニックリノベーション、宿泊施設リノベーション、古民家再生など、あらゆる建築計画で建設コストの上昇が続いています。
しかし、本当に考えるべきことは建築費なのでしょうか。私たちは事務所設立25年以上活動する中で、数多くの建築計画に携わってきました。その経験から言えることがあります。建築費は完成した瞬間に過去になります。
しかし建築が生み出す資産価値は、その後何十年にもわたり経営や地域に影響を与え続けます。今、問われているのは「いくらで建てるか」ではありません。「どんな価値を未来に残すか」です。
最近、相談の現場でよく聞く言葉があります。「予算が2割以上上がった」「金融機関から慎重な投資判断を求められている」「とにかくコストを抑えたい」当然の反応です。建築費高騰は経営に直接影響します。
しかし同時に、採用難・価格競争・人口減少・空室率上昇・地域間競争、といった問題も進行しています。つまり今は建築費だけが上がっているのではありません。経営環境そのものが大きく変化している時代なのです。
多くの人は、「建築費高騰が問題」だと考えています。しかし本質はそこではありません。本当の問題は、価値を生み出さない建物に投資してしまうことです。人口が減る時代。選択肢が増える時代。AIが比較を容易にする時代。そんな時代に同質化した建物は埋もれていきます。問題はコストではありません。差別化できない構造にあります。建築の課題は建物の問題ではなく、経営構造の問題なのです。
建築費高騰時代になると、最初に削られるのが設計です。空間の質です。体験価値です。しかし、それは本当に正しい判断でしょうか。よくある考え方は、設備を減らす。デザインを削る。面積を削る。というものです。しかし、それによって失われるものがあります。採用力。ブランド力。顧客満足度。口コミ。地域からの支持。建築費は一度しか払わない。しかし価値の低い建物が生む損失は何十年も続きます。
だから私は、「高い建物をつくるべきだ」と言いたいのではありません。空間戦略思考の設計を行い「価値が残る建物を考えるべきだ」と言いたいのです。
空間戦略とは何でしょうか。私は、「人が集まり、選ばれ続ける理由を設計すること」だと考えています。空間ブランディングという言葉もありますが、私はそれ以上に、資産価値設計・経営価値設計・ブランド体験設計・空間価値向上という視点が重要だと思っています。建物そのものをつくるのではありません。
未来の価値をつくるのです。これが一般的な設計との大きな違いです。
では価値が残る建物とは何でしょうか。それは人間心理に働きかける空間です。例えば、自然光が入るオフィス設計。木質感のある待合空間。地域性を感じる古民家再生。ゆとりある動線計画。適切な距離感のコミュニケーション空間。こうした設計は利用者の感情や行動に影響します。
ハーバード大学のHealthy Buildings研究では、室内環境が知的生産性や認知機能に大きく影響することが報告されています。
また北欧諸国や日本国内でも、木材利用によるストレス低減や心理的安定効果が研究されています。
つまり、なぜこの空間は利益を生むのか。なぜこの空間は安心感を生むのか。なぜこの空間は採用に効くのか。なぜこの空間は口コミを生むのか。なぜこの空間は地域に愛されるのか。そこには人間心理と空間設計の関係があります。
【事例:五感で差別化するクリニック設計 働きやすさと経営を高める「投資としての建築」】
利益は建物から生まれません。人から生まれます。顧客。従業員。地域住民。取引先。投資家。彼らが「ここを選びたい」と思うことで経営は成立します。だから空間は経営資源です。
商業施設設計であれば来店動機になります。
オフィス設計であれば採用力になります。
クリニックリノベーションであれば信頼になります。
宿泊施設リノベーションであれば記憶に残る体験になります。
空間価値が経営価値を生む時代が始まっています。
名古屋・愛知県・岐阜県・三重県は、日本有数のものづくり地域です。合理性を大切にする文化があります。だからこそ今後は、機能だけではなく体験価値が差別化になります。人口減少時代において、選ばれる企業、選ばれる施設、選ばれる地域、になるためには、数字では測れない価値を設計する必要があります。その役割を担うのが空間戦略です。
これからの建築は、面積を競う時代でもありません。価格を競う時代でもありません。選ばれる理由を設計する時代です。AI時代になるほど、人は体験を求めます。居場所を求めます。共感を求めます。建築家の役割も変わります。図面を描くことから、未来の資産価値を設計することへ。建築は単なる建物づくりではありません。未来の経営基盤づくりなのです。
建築費高騰時代に重要なのは、建築費そのものではありません。重要なのは、その建物が将来どのような価値を生み出すかです。差別化とは奇抜なデザインではありません。人が選びたくなる理由をつくることです。高い建物と価値が高い建物は違います。建築はコストではなく資産です。空間価値は経営価値につながります。採用力につながります。ブランド力につながります。地域価値につながります。
だから建築計画の本質は、コスト削減ではなく価値創造にあります。
もし今、建築計画を検討しているのであれば、「いくらで建てるか」だけではなく、「どんな価値を未来に残すか」という視点で考えてみてください。その建物は10年後も選ばれるでしょうか。20年後も地域に愛されるでしょうか。採用や集客に貢献しているでしょうか。資産価値を生み続けているでしょうか。
設計によって解決できる経営課題は数多くあります。私は空間戦略家として、建築を通じて人・企業・地域の未来資産をつくるお手伝いができればと思っています。
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事業の成長につながる空間戦略について、ご相談を承っております。
・店舗、宿泊施設、オフィスの再構築
・新規事業における空間戦略
・既存施設の価値向上
・設計事務所の選び方 紹介で25年つづいてきた理由。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19721
・なぜ私は住宅もオフィスもクリニックも店舗も宿泊施設も設計するのか。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19956
・問い合わせ https://kajiura-a.com/contact/
梶浦博昭環境建築設計事務所 https://kajiura-a.com/ 『空間 × 感性 × 経営』
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建築家 梶浦博昭|note インスタ kajiuraarchitect
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にて新築工事・リノベーションの設計・監理の実績。
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