【山門を、もう一度人が意識する入口にする】
愛知県一宮市の寺院に計画した「提灯山門」。山門は、外の世界から境内へ入り、日常から少し気持ちを切り替えるための大切な入口です。しかし、長い時間の中で、単に通り抜ける場所になってしまうこともあります。そこで、この山門を「人を迎え、寺院の存在を感じてもらう場所」としてもう一度考えました。
【提灯を、飾りではなく建築の一部にする】
この計画では、日本の文化として親しまれてきた提灯を山門に組み込みました。単に提灯を並べるのではなく、光、反復、奥行き、人を迎える気配を建築の一部として扱っています。昼は山門そのものの形が見え、夜になると提灯の灯りによって、同じ建築が異なる表情を見せます。
【伝統を、そのまま再現するのではなく今へつなぐ】
歴史ある建築を扱うとき、昔の形をそのまま再現することだけが答えとは限りません。何を残すのか。今の人にどう感じてもらうのか。これからどのように使われ続けるのか。提灯山門では、既存の山門が持つ意味を大切にしながら、提灯という文化を重ねることで、現在の寺院にふさわしい入口を考えました。
【夜には、光が寺院の入口を浮かび上がらせる】
祭りなどで提灯に灯りが入ると、昼とは異なる山門の姿が現れます。遠くからも光によって入口の存在を感じやすくなり、境内へ続く場所であることが伝わります。寺院を閉じた場所として見せるのではなく、人を迎える入口として山門を整える。その役割を光によって表現しました。
【歴史ある建物は、残すことと使い続けることを一緒に考える】
寺院、神社、町家、古民家など、地域に長く残ってきた建築には、その場所にしかない記憶があります。大切なのは、すべてを新しくすることでも、すべてを昔のままにすることでもありません。残すものと変えるものを見極め、現在の使い方へつなぐこと。提灯山門では、山門という伝統的な建築に「光」と「人を迎える」という役割を重ねました。
【寺院建築を、次の時代へつなぐ】
伝統を残すことと、伝統を生かすことは同じではありません。形だけを守るのではなく、今の人がその場所と関係を持ち続けられることも重要です。提灯山門は、古くからある山門と提灯という二つの日本文化を組み合わせ、寺院の入口を現代へつなぎ直した建築です。
梶浦博昭環境建築設計事務所では、一宮・名古屋・愛知・岐阜・三重で、寺院建築、歴史ある建物の再生、既存建物活用、用途転換などを設計しています。「寺院や山門を今の時代に合わせて見直したい」「歴史ある建物を残しながら使い続けたい」「既存建築の魅力を生かして新しい役割を加えたい」など、改修方法が決まる前の段階からご相談ください。
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