EuroShop//JAPAN SHOP Award 優秀賞
犬山城下町に、新たな風景が芽吹く。
六角形のユニットがリズムよく並び、そこに生まれたのは、人と木、まちと自然が静かに呼応する“都市の森”。それぞれのユニットは一本の樹木を象徴し、杉や檜、赤身と白太、柾目と板目といった多彩な表情が、訪れる人の感性に語りかける。
この空間は、素材の知識を得る場所であり、木の魅力に触れ、「大切にする心」を育む学びの場。淹れたての香りとともに、木の温もりに包まれた特別な時間が流れている。
見る、触れる、味わう——感覚を重ねる体験が、木が生きてきた時間や、地域と結びついた物語を自然と心に響かせる。
この風景は、単なる展示ではなく、まちに新たな重心を与える“共鳴装置”でもある。建築が場を生み、場が人を呼び、人が文化を育てていく。その静かな連鎖が、未来のまちを形づくる確かな力となる。
犬山のまちに、人工の森を通して自然の精神を宿す。素材の美と思想を織り交ぜ、感性に語りかけるこの場所は、「まちの記憶」と「未来の感性」をつなぐ、「空間ブランディング」の象徴である。
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