建築は、完成した瞬間だけを見ても、その価値をすべて判断することはできません。10年という時間を経たからこそ、設計時に考えていたことが実際にどう使われ、何が残り、何が変わったのかを振り返ることができます。愛知県犬山市の城下町・本町通りにおいて、火災跡地の再生として計画されました。新しい建物をつくるだけではなく、失われた場所に再び人の流れや滞在を生み、まちとの関係をつくり直すことも、この計画の大きなテーマでした。
間口7.2m、奥行53mという細長い敷地に対し、海上コンテナを分棟配置し、路地で繋ぐ構成とすることで、奥へと誘う空間体験を創出。東濃桧による外装や屋上デッキ、ポケットパークを重ね、滞在と交流が生まれる立体的な「場」を設計しました。
この計画は、単なる商業施設ではなく、「地域に愛される場」を目指した空間戦略でもあります。多様な店舗が集い、路地やデッキといった余白が、人の滞在や関係性を自然に生み出す構成としました。
一方で、商業空間は時間とともに変化していきます。
運営や使われ方の積み重ねが、空間の質や印象を大きく左右していくからです。
このプロジェクトを通して確信したのは、
商業空間の価値は「デザイン」単体では成立しないということです。店舗や商業施設では、見た目のデザインだけでなく、なぜ人が訪れ、どこに滞在し、何を記憶し、また来たいと思うのかまで含めて考える必要があります。
空間は、誰に向けて開かれるのか。
どのような関係性を育み、どのような時間を蓄積していくのか。
その思想と戦略が一貫してはじめて、空間は“意味”を持ち続けます。
建築とは、単に形をつくるものではなく、
人の振る舞いを導き、関係性を育て、場の文化を醸成するための装置です。
私たちは空間戦略家として、意匠としてのデザインにとどまらず、
事業性・時間軸までを統合した視点から設計を行います。建築を経営や事業の時間軸から考える理由については、「なぜ建築家に『経営』から相談するのか」で詳しく整理しています。
短期的な賑わいではなく、
時間とともに価値が深化し、選ばれ続ける商業空間を構想すること。この「完成後まで考える」という視点は、築70年の工場を再生し、自ら運営する「森と川に咲く花」でも続いています。
建築は、完成した瞬間が完成ではない|建築家が自ら運営して分かったこと
店舗や商業施設の新築・リノベーション、既存建築活用、地域資産の再生などを検討している段階から、建築と事業の両面についてご相談いただけます。
・体験価値を収益につなげるには、空間全体の設計が重要になります。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19754
・設計事務所の選び方 紹介で25年つづいてきた理由。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19721
・選ばれ続ける空間ブランディング、経営戦略。こちらで整理しています。https://kajiura-a.com/archives/blog/19737
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梶浦博昭環境建築設計事務所 https://kajiura-a.com/ 『空間 × 感性 × 経営』
~ 見えない価値を、設計する~【名古屋・愛知・岐阜・三重を中心に25年の実績】
建築家 梶浦博昭|note インスタアカウント kajiuraarchitect
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にて新築工事・リノベーションの設計・監理の実績。
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