通常住宅街の中では外とつながりながら生活することは難しい。どうしてもプライバシーに目が行き、外とつながる気持ちよさは後回しになってしまっているのではないかと考え計画した住宅である。
居室に沿うように外部からの土間をそのまま奥まで伸し、その周囲を壁で囲う事で、出入りの経路でありながらコートとしての役割も担うことができる。玄関前には沖縄のヒンプンのようなコンクリートで作られた壁を立ち上げる事で、道路からの視線なく、扉の開け閉めもない、身体的、心理的に開放的な空間となる。
そのコートから入る光や風が室内を満たし、そのコートで遊ぶ家族の気配を感じることができる。どのような状況下の敷地であっても、理想の住まいに向けた方法を可能な限り模索していくことが、住まいづくりの醍醐味とも言える。
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