この建築は、水を扱う企業の別棟オフィスとして、「水の本質」をかたちにした空間です。硬質な四角ではなく、有機的な曲線で構成された外形は、まちに対してやわらかく開かれ、都市との関係性に優しさと独自性をもたらします。
透明性の高いガラス面が、内部の活気や働く人々の姿をそっと街に映し出し、企業の信頼性と開かれた姿勢を自然に伝えます。それは単なる建築ではなく、企業の在り方や未来像を語る“空間ブランド”としてのメッセージです。
隣接する既存本社の直線的な建築とは明確な対比をとりつつも、互いを引き立て合う関係性を築くことで、企業全体のイメージに厚みを与えています。卵型のフォルムには、生命の誕生や成長の力強さが宿り、変化を恐れず進化し続ける企業の姿勢を象徴します。
企業が社会とどう関わるかを空間で示す。
それが、「空間ブランディング」としての建築の力です。
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