この建築は、国や文化を越えて、互いを認め合い、支え合う「共生の思想」をかたちにした空間です。
日本と中国、それぞれの美意識や技術を尊重しながら、対等な協働によって生まれたこの建物には、人と人、文化と文化が響き合う豊かさが宿っています。
建物の外形は、前後の敷地ラインや隣接建物との距離が厳しく定められ、街との調和が求められました。
その制約を受け入れ、むしろそれを設計の出発点とし、周辺との関係性を丁寧に紡ぐ外観へと導いています。
平面計画では、中国の伝統的な庭園構成を学び、中心性を持つ穏やかな広がりを設計の核としました。
そこに日本の木造文化を融合させ、構造材・床・天井・枠材には、岐阜県産の東濃檜を使用。
木材は日本で精緻にプレカットされ、海を越え中国の地へ。
現地では日本と中国、二つの国の職人たちが技術を交わしながら、互いの手でこの空間を形にしていきました。
この建築は、ただの店舗でも施設でもなく、文化と精神を交差させ、語りかける「場」です。
共生がもたらす創造と発見、その象徴として生まれた「空間ブランディング」の結晶です。
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