【店の名前から、建築を考える】
アオテアロアとは、ニュージーランドを表すマオリ語で、「白く長い雲のたなびく大地」という意味を持ちます。この言葉を、単なる店名として扱うのではなく、「空間そのものにできないか」と考えたところから設計が始まりました。
【壁と天井を分けない】
空間を特徴づけているのは、壁から天井へと連続する木のうねりです。壁は壁。天井は天井。と分けるのではなく、一本の流れとしてつないでいます。見る位置によって輪郭が変わり、光の当たり方によって木の表情も変わる。雲が流れるように、空間そのものが動いて見える。店名の世界観を、装飾ではなく建築そのものにしました。
【「どこに座るか」で、店の体験が変わる】
BARでは、すべての客が同じ過ごし方をするわけではありません。一人で静かに飲みたい人。誰かと会話を楽しみたい人。店主との距離を楽しみたい人。そこで、席の配置や視線、人との距離を一つずつ調整しました。近すぎない。遠すぎない。少し視線が交わる。少しだけ隠れる。座る場所によって、人との関係が変わる。それも、このBARをつくる大切な建築要素です。
【木は、時間とともに店になっていく】
木は、新品のときが完成ではありません。人が触れる。光を受ける。時間が経つ。少しずつ色や艶が変わっていきます。BARは、長く使われるほど、その場所に記憶が積み重なる空間です。だからこそ、完成した瞬間だけが美しい素材ではなく、使われながら変化する木を大切にしました。建築も、店と一緒に歳を重ねていきます。
【「おしゃれな店」を目指さない】
飲食店やBARの相談では、「かっこいい店にしたい」「他店と違う雰囲気にしたい」という話がよく出ます。しかし、「おしゃれ」という言葉から設計を始めると、他の店と似てしまうことがあります。大切なのは、どんな店名なのか。なぜその料理や酒を扱うのか。どんな客に来てほしいのか。どんな時間を過ごしてほしいのか。その店の中にすでにあるものを見つけることです。アオテアロアでは、店名の意味そのものが、木のうねり、光、席の距離へと変わりました。
【差別化は、目立つことではない】
競合の多いエリアでは、派手な外観や強い演出に目が向きがちです。けれど、目立つことと、記憶に残ることは同じではありません。この店で考えたのは、「ここでしか感じられないものをつくること」でした。それは、写真映えする一つの造形ではなく、店に入り、座り、光を見て、木に包まれ、誰かと話す。その時間全体です。その店の本質を読み取り、他では置き換えられない空間へ変えること。それが、梶浦博昭環境建築設計事務所が考えるBAR・飲食店設計、店舗リノベーション、空間ブランディング・空間戦略です。
名古屋・愛知県・岐阜県・三重県で、BAR・飲食店・店舗の新築やリノベーションをお考えでしたら、デザインイメージを固める前の段階からご相談ください。「どんな店に見せるか」ではなく、「その店にしかないものは何か」から考えます。
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