JR稲沢駅に程近い、新旧の家々や集合住宅が混在する住宅地に建つ。この地域は名古屋市のベットタウンともいえ、これからますます周辺環境が賑やかになっていくことが想定される場所である。
敷地は街区公園にほど近く、南隣地を介して公園が伺える。北側は12Mの道路に面し、通勤時には人通りが多くなる。そこで街区公園へ視線を伸ばすために、塀や柵を設けず道路の延長のような石畳を設け、面する建物を低層に抑えオープンな雰囲気をつくった。街に対して圧迫感のない、風と視線が心地よく通り抜ける場所となった。
南側隣地には3階建ての住宅が立ち、今後隣地にも近接して建物が建つことを考え、隣家に影響されず防犯性も踏まえた快適に暮らせる家が必要であった。そこで建物に2つのコートを入れ込んだ。ダイニング側を「使う庭」、リビング・和室側を「眺める庭」、と使い分けて生活を豊かに彩る。コートに設けられた木格子によりプライバシーを守りながら光や風を感じることができる。
子供室と寝室にはLDKから吹抜けを通して声をかけられる。隔たりのない感覚的な距離の近さで、家族のコミュニケーションを図ることができる。今後、家族にとっても街にとっても住むために快適な環境が保たれていくことを願う。
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