周辺と呼応しながら、自立する。
職人の手仕事と、建築家の思想が織りなす住まい。
この住宅は、周囲の自然や環境と美しく呼吸しながら、
自らの意志でその影響を調整し、
周辺に開かれ、同時に自立した空間として成立しています。
中央には、象徴的な変形八角形の居間。
そこを中心に、各個室が有機的に接続されるよう配置され、
生まれた“隙間”に格子を通じて緩やかなつながりを持たせました。
その格子によって生まれる小さな中庭は、
部屋ごとに異なる光と風の表情をつくり出し、
内と外のあいだに、静かで豊かな余白を生み出しています。
中庭に面した開口部からは、対角線に風が抜け、
季節の移ろいや時の流れが、暮らしの中に静かに息づきます。
格子は、外界とのつながりを断つことなく、
防犯性と開放性のバランスを美しく保っています。
この住まいは、ただ設計されたものではありません。
ご主人である大工の確かな手と、建築家の構想とが共鳴し、
一緒に時間をかけて、想いと技術を重ねながら紡いだ家。
そこに流れるのは、
機能を超えた、記憶と物語が重なる空間体験です。
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